鼠志野鶺鴒文鉢ねずみしのせきれいもんはち
鉄化粧が偶然掛からなかった所を岩に見立て、一羽の鶺鴒をとまらせた。
志野焼は美濃(岐阜県)で安土桃山時代に焼かれた、長石を砕いた白釉(志野釉)を使う焼物。鼠志野はその一種で、素地に鬼板と呼ばれる鉄分を含む泥漿を掛け、文様の部分だけを箆で掻き落として白く出し、その上に志野釉を掛けて焼く。鉄の成分は窯の条件によって鼠色または赤褐色に焼き上がる。本品は泥漿が偶然掛からなかった中央の白い部分を岩に見立て、そこに鶺鴒がとまり、まわりに水の流れを掻き落とした鉢。周囲が広く張り出してすこし歪んだ形で脚が付き、茶席で焼物を盛って回す器として、畳の上から見下ろす視点で縁までいっぱいに文様が入る。偶然が生んだ、二つとない意匠。
説明文の出どころ:志野焼(Wikipedia・CC BY-SA 4.0)
写真について
- ライセンス
- CC BY 4.0(ColBase)
- 撮影
- 東京国立博物館
- 出典
- 出典:ColBase(https://colbase.nich.go.jp/collection_items/tnm/G-5730?locale=ja)をもとに縮小